TNFDとその開示の義務化について解説
TNFD提言と開示の義務化

まず初めにTNFDについてです。TNFDとは、自然関連財務情報開示タスクフォースのことで、自然資本や生物多様性に関して、企業が持つリスクや機会を適切に評価・開示するためのフレームワークです。ここにTNFDの全体構成を示してあります。
ピラミッド構造になっていて、その頂点に相当するところがTNFDの骨子部分であって、「TNFD提言」とされています。このTNFD提言の中身は、大きく4つの柱から成り立っていて、その一つずつの柱の中に推奨提言が設定されています。この推奨提言は、4つの柱の全てを合わせると14から成り立っています。このTNFD提言に従って、情報開示を進めていくことになります。これがTNFDの基本となる部分になります。
そこから業種業態などに応じて「追加ガイダンス」が提示されていますので、そのガイダンスの内容を参考にしながら、このTNFD提言の内容を肉付けしていく、といった構成になっているわけです。この追加ガイダンスというのは、たくさん用意されていますけれども、全てを網羅的に盛り込む必要はありません。その業種・業態に応じて、必要とするところを参考にしながらTNFDを充実させていくことが良いでしょう。
それでは追加ガイダンスの1番最初のところにあたる「TNFDを始めるには」についてですけれども、ここには実際の始め方が提示されております。具体的にはTNFDを始めるにあたって、7つの主要ステップ、それと実際に始めるための6つの方法について提示されています。
その次にある追加ガイダンスは、「自然関連課題の特定と評価LEAPアプローチ」と呼ばれているものです。ここの部分はTNFDでもかなり掘り下げた部分になっていまして、企業活動というのは、その自然資本との関わり、生態系、生物多様性、などの観点からどのような場所で企業活動が関わっていて、それに対して依存と影響、リスクと機会がどの場所に関して発生しているのかということを特定とすることが非常に難しいです状況です。そのためにTNFDでは、LEAPアプローチという手法を提示しています。
TNFDとその開示の義務化に向けたLEAPアプローチ
LEAPアプローチの内容は、4つのプロセスから構成されていて、発見(Locate)、診断(Evaluate)、評価(Assess)、準備(Prepare)、これらの頭文字をとってLEAPと名づけられていて、自然関連課題の特定と評価するためにLEAPアプローチといった手法が提案されています。TNFDによる開示は、頂点の部分のTNFD提言が基本となるわけですが、可能な限りこのLEAPアプローチを用いた特定と評価まで、分析し評価を行うことが望ましいです。
さらに追加ガイダンスがその下にあるわけですが、これらはそれぞれに応じて適宜参考にしていくことが良いでしょう。そして今回ご紹介する内容は、「TNFD提言」、「TNFDを始めるには」、「自然関連課題の特定と評価LEAPアプローチ」、についてです。そして最後に、その下にある追加ガイダンスについても、いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。それはまず最初に、ピラミッド構造の頂点に位置する「TNFDの提言」について次にご紹介いたします。

総括:TNFDとその開示の義務化について解説
- TNFDの定義:
- 自然関連財務情報開示タスクフォースであり、企業が持つ自然資本や生物多様性に関するリスクや機会を評価・開示するためのフレームワーク。
- TNFDの構成:
- TNFD提言はピラミッド構造で構成され、4つの柱があり、それぞれに推奨提言が設定されている。
- 4つの柱を合わせると14の推奨提言がある。
- 追加ガイダンス:
- 各業種・業態に応じた追加ガイダンスがあり、それら全てを網羅する必要はない。
- 必要な部分を参考にして、TNFDを充実させていくことが望ましい。
- TNFDを始めるためのステップ:
- TNFDを開始するための7つの主要ステップと6つの方法が提示されている。
- 自然関連課題の特定と評価(LEAPアプローチ):
- 企業活動と自然資本、生態系、生物多様性との関わりを明確にするための方法。
- LEAPは次の4つのプロセスから成り立っている:
- Locate(発見)
- Evaluate(診断)
- Assess(評価)
- Prepare(準備)
- 開示の基本:
- TNFD提言が基本であり、LEAPアプローチを活用して具体的な特定と評価を行うことが推奨される。