成功する人的資本経営を設計するフレームワークの活用法

目次

人的資本経営を設計するフレームワーク

 ここでは人的資本経営についてまとめたいと思います。

出典: 富士通株式会社 CHRO Roundtable Report

 お示ししているのは、企業価値向上につながる人的資本経営の実践をテーマにして、日系企業5社のCHROが集まり、意見交換が活発に行われたCHROラウンドテーブルによってまとめられた表になります。これは、人的資本経営の検討プロセスを整理したもので、4つのステップから成り立っています。それは「共有する」「可視化する」「検証する」「ストーリーを再構成する」となっています。

フレームワークによる人的資本経営のまとめ方

Step1では、人的資本経営のストーリーを構成する要素と仮説を策定と、企業価値向上に関わると想定されるデータを精査、集約の2つから成り立っています。要素と仮設を策定するにあたっては、「理念、パーパス、ビジョン」「経営戦略、事業戦略」「人材戦略、人事施策」「経営戦略、事業戦略と人事戦略、人事施策との関係」「戦略執行上の課題等」について最初に策定を行います。その下で、データを精査及び集約していき、「エンゲージメントスコア」「女性管理職比率」「個人主導の異動割合」「一人当たり学習時間」「サクセッサー充足率」「売上高・営業利益伸び率」などのデータがそれに相当します。

Step2では、Step1で整理された戦略やデータをもとにして全体像を可視化していきます。

Step3では、財務データと相関の強い人的資本に関わる指標を検討して、企業価値の向上とどのようにつながりがあるのかを検証して、重点施策を特定・検証します。

Step4では、どの施策に重点を置いて企業価値を目指すのかについて、データに基づき説得力のあるストーリーを構築していきます。そして構築されたストーリーに従って人的資本経営を設計して実行していきます。

 このようにして、経営戦略と連動した人材戦略を実践することで、企業価値の向上を目指した人的資本経営を行っていくことが、今後ますます求められていきます。

総括:成功する人的資本経営を設計するフレームワークの活用法

  • 人的資本経営の検討プロセス:
    • 4つのステップ:
      1. 共有する:
        • 人的資本経営のストーリーを構成する要素と仮説を策定。
        • 企業価値向上に関わるデータを精査・集約。
      2. 可視化する:
        • Step1で整理された戦略やデータをもとに全体像を可視化。
      3. 検証する:
        • 財務データと相関の強い人的資本の指標を検討。
        • 企業価値との関連性を検証し、重点施策を特定。
      4. ストーリーを再構成する:
        • 重点施策に基づいてデータに基づいた説得力のあるストーリーを構築。
        • 構築されたストーリーに従い、人的資本経営を設計・実行。
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