TNFD セクター別ガイダンスであるバイオームについて解説
TNFDセクター別追加ガイダンスであるバイオーム

それでは、ここまでの内容を少し振り返ってみることにしましょう。TNFDの全体構成ですが、まず初めに4つの柱からなるTNFD提言がありました。これを基本として、追加ガイダンスが用意されており、その最初のものが「TNFDを始めるには」、それに続くものとして「自然関連課題の特定と評価LEAPアプローチ」についてでした。ここまでの内容のところで、TNFDの準備に関しては、ほぼ網羅できている内容となっています。しかし、それぞれの企業の事業内容に応じて、様々な追加ガイダンスがこの下に準備されています。そこでここでは、代表的な追加ガイダンスとして、「バイオーム」、「シナリオ分析」、「ターゲット設定」、これらについて簡単にご紹介したいと思います。
生態系を扱うTNFDセクター別追加ガイダンスであるバイオーム

まず初めに、「バイオーム」についてです。バイオームというのは、生態系を意味していて、それぞれの生態系における依存とインパクト、リスクと機会の特定、評価、開示に向けたサポートを行うガイダンスになっています。さらに、それぞれの事業における生態系サービスやインパクトドライバーなども提示されています。その中で、さらにLEAPアプローチの中では、バイオームは重要な役割を果たしていると言えて、事業活動と自然との接点を見出すことから始まりますが、特に生態系とどのような関わりを持つのか?という点で、依存とインパクトやリスクと機会を考えるのに非常に参考になるガイダンスになっています。
このバイオームの追加ガイダンスで紹介している内容は、生態系として陸上に関するものが2つ、都市に関するものが2つ、淡水、海洋に関する生態系として1つずつ提供されています。「陸地」では、熱帯および亜熱帯の森林、サバンナと草原、「都市」では集約的な土地利用システム、都市と産業の生態系、「淡水」としては河川と湖、「海洋」では海洋棚などについてのバイオームが紹介されています。そこでここでは、我々に身近な生態系であると思われる都市のところから、「都市と産業の生態系」について取り上げてご紹介したいと思います。

都市と産業の生態系についてですが、依存とインパクトやリスクと機会、生態系サービスやインパクトドライバーなどが、一覧としてまとめられていて記載されていますが、ここではその中で、リスクと機会について簡単にご紹介したいと思います。例えば、リスクを見ていった場合、物理的リスクですけれども、自然災害を見たときに生態系サービスの喪失として、価値が損失するなどが考えられます。これに対する機会としては、都市の生物多様性の保全の取り組みを支援、などが考えられるでしょう。またはリスクとして、事業活動に起因する生態系の劣化などを挙げた場合、機会としては自立したグリーン都市インフラを開発する、などが紹介されています。このようにして、バイオームでは様々な生態系について、その依存とインパクトやリスクと機会について一覧として紹介されているものです。

総括:TNFD セクター別ガイダンスであるバイオームについて解説
- 代表的な追加ガイダンス:
- バイオーム:
- 生態系を指し、依存とインパクト、リスクと機会の特定、評価、開示に向けたサポートを提供するガイダンス。
- LEAPアプローチにおいて重要な役割を果たす。
- バイオーム:
- バイオームの内容:
- 生態系サービスやインパクトドライバーに関する情報が提供。
- 各生態系に関連する依存とインパクト、リスクと機会を考える際の参考となる。
- バイオーム別の説明:
- 陸上生態系: 熱帯および亜熱帯の森林、サバンナと草原。
- 都市生態系: 集約的な土地利用システム、都市と産業の生態系。
- 淡水生態系: 河川と湖。
- 海洋生態系: 海洋棚。
- 都市と産業の生態系:
- リスクの例:
- 自然災害による生態系サービスの喪失(価値の損失)。
- 事業活動に起因する生態系の劣化。
- 機会の例:
- 都市の生物多様性の保全の取り組みを支援。
- 自立したグリーン都市インフラの開発。
- リスクの例:
- まとめ:
- バイオームではさまざまな生態系について、それぞれの依存とインパクト、リスクと機会が一覧として紹介されている。