TCFD提言による開示とは
開示に向けたTCFD提言とは

TCFDとは、投資家に適切な投資判断を考えるための気候関連財務情報開示を、企業へ促すタスクフォースのことです。まずは、「気候関連リスク」と「気候関連機会」を抽出することから始めます。
これは、温室効果ガスの排出によって、自社の事業へ与える影響についての負の影響が気候関連リスクであり、正の影響が気候関連機会と考えてください。そして、この気候関連に関する「リスク」と「機会」を把握して経営戦略へ落とし込んで、それらの管理を反映させる必要があります。
その後に、このような気候関連リスクと機会が、どの様にして財務上に影響を与えるのかを把握して、財務報告書等で開示する流れとなります。これらの内容の開示方法ですけど、2022年4月に東証の再編の際、プライム市場上場企業に対しては、TCFD開示が実質的に義務化されています。 さらに、プライム上場企業のみではなく、2023年3月期から有価証券報告書において、サステナビリティに関する考え方、及び取り組みといった記載項目が追加されることになりました。従いまして、上場企業においては、このTCFD提言に関する内容の開示が、実質的に義務化されているとお考えください。また、そのときの財務上の影響に関する評価については、『気候関連リスク、機会の資産計上方法等に考慮する必要がある』と記載されています。
シナリオ分析によるTCFD提言の開示とは

そして最も重要なことですが、シナリオ分析をすることが求められています。例えば、温室効果ガスの排出によって地球の平均温度が1.5℃上昇した場合、長期的に見て2100年までの海面上昇は、この表にまとめてあるようなことが起こり得るということで、生物種の減少ですとか、海氷が消失する頻度、または漁獲高の減少割合や、サンゴの影響などがすでに知られています。この様なことが、気候変動によってもたらされた場合、自社においてどのような影響をお及ぼして、財務上将来的にどのようになるのか、といったことを行うのがシナリオ分析というものです。
このシナリオ分析は複数作成する必要があり、1.5℃上昇の場合、この表にあるようなことが起きるわけですが、その様なことは同様に2℃上昇シナリオの場合、さらには4℃上昇シナリオの場合にも知られていて、もしこの様なシナリオにある通りのことが起きた場合、自社に与える財務上の影響について、分析を行うといったことがシナリオ分析になります。そして、このシナリオ分析の実施においては、社内の体制整備に加えて、社内外のシナリオ分析の専門家と検討を行うことが重要とされています。このシナリオ分析による結果が、将来的に財務上どのような影響を及ぼすのか、という根拠になるためです。それでは先ずはじめに、気候関連リスクこれについて次に解説をしていきたいと思います。

総括:TCFD提言による開示とは
- TCFD提言:
- 気候関連財務情報開示を促すタスクフォースで、投資家に適切な投資判断を考慮させる目的がある。
- 気候関連財務情報開示を促すタスクフォースで、投資家に適切な投資判断を考慮させる目的がある。
- 経営戦略への反映:
- 気候関連のリスクと機会を把握し、経営戦略に組み込み管理する必要がある。
- 気候関連のリスクと機会を把握し、経営戦略に組み込み管理する必要がある。
- 財務報告への影響:
- 気候関連のリスクと機会が財務にどのように影響するかを把握し、財務報告書で開示。
- 気候関連のリスクと機会が財務にどのように影響するかを把握し、財務報告書で開示。
- TCFD開示の義務化:
- 2022年4月、プライム市場上場企業に対してTCFD開示が実質的に義務化。
- 2023年3月期から、有価証券報告書にサステナビリティに関する記載項目が追加。
- 財務上の影響評価:
- 気候関連リスクと機会の算出する方法を考慮する必要がある。
- 気候関連リスクと機会の算出する方法を考慮する必要がある。
- シナリオ分析の重要性:
- 気候変動に伴うさまざまなシナリオ(例:1.5℃上昇、2℃上昇、4℃上昇)を分析し、自社に与える財務上の影響を評価する。
- 気候変動に伴うさまざまなシナリオ(例:1.5℃上昇、2℃上昇、4℃上昇)を分析し、自社に与える財務上の影響を評価する。
- シナリオ分析の実施:
- 複数のシナリオを作成し、事業への影響を想定することが求められる。
- 社内体制の整備と社内外の専門家との協力が重要。